捕らぬ狸の皮算用

今年も残すところあとわずかとなった。
この一年を振り返ると年明けからのコロナ禍によるコロナ相場が2月3月に発生し、世間の様相が激変した世の中であった。相場も乱高下著しく行って来い相場となったペアも多い。
ドル円は去年のフラクラの安値を捉え、大きく戻すも高値切り下げとなった。


自分の成績も乱高下に振り回され大きく利益を伸ばしたり大損したりということがあった。大損といえど塩漬けなどはしていないし、通常の利確・損切りの範囲ではあった。

その中で急激な含み益や含み損の増減による金銭的プレッシャーに対する耐性が鍛えられたことは、実にありがたいことだった。


その後に悩ましかったのはこの相場の高値安値がトレンド形成の要素として相場に認識されているのか?という点だった。

ロットサイズはコロナ禍の中でそれまで1万通か2万通貨ほどだったものが5万通貨となり、ときには8万通貨というときもあった。この中で生まれた数万円の含み損や実現損は大いに自分のメンタルを苦しめてしまった。コロナ禍だからロットを増やしたというより今年度の目標としてロットサイズを徐々に上げるというのがあったので予定通りではあったのだ。


そんなこんなちりも積もればなんとやらで、月単位の赤字や黒字が15万円を超えるスケールになって、メンタル面で大いに揺さぶられた。それまでは月数万円でわーきゃーしてたのが数倍となってしまったのだからしょうがないと言えばしょうがない。

ほんの少しの含み損だったはずのものが数時間後に数万円単位になっているものを見ると、これで給料のいくら分だとか、その失いつつあり、さらに増大していく負荷の大きさにおののいて、胃を痛める日もあった。


しかしあるとき、自分の中で考え方の転換があった。

ちょっと待てよ、と。この数千円や数万円の損失はこんなに胃を痛めてまで自分を苦しめるものなのか?と思った。数千円ならちょっといい外食をしたようなものだ、数万円なら趣味のカメラのレンズや旅行費、あるいは家電を買ったようなものではないか。年間を通してそんな機会はたくさんあったはずではないか。その時に毎回毎回こんなに苦しい思いをして出費していたのか?そんなはずはない。悩みこそすれ胃を痛めたことなど一度もなかったのだ。

そう思うようになってから、自分の中で特に損失に対する考え方が変わった。損失によって被ってきた苦しみは赤字だったからではないと気づいた。


ではこの苦しみは何だ?一体なんだったのか。

それは他ならぬ、自分自身のトレードが相場によって否定された事以外の何物でもなかった。トレードの失敗と金額の喪失というものが密接に結びついてしまっていたのだ。

それは本来、完全に分離されていなければならない。

でなければ、胃を痛めた日々のように、ムダで無価値な苦しみを被る波目になるだけだ。


この揺るぎない事実をコロナ禍を通して気づけたことは、自分のトレード人生にとって僥倖だった。


その後紆余曲折を経て年間の収支が7月末時点でほぼトントンだった。ロット調整しながらだったのでそれまでの利益を高ロットの損切りで帳消しにしてしまったりしたわけだ。


ただ自分の中での成長と課題はより明らかになったし、目的としてたロット拡大は粛々と進めた。10万通貨の取り扱いは8月半ばから9月にかけて始めた。

最初こそその金額の大きさにドキドキしたのだが、そこは偉大なる気づきのおかげもあり、徐々に慣れていった。動じなくなった。


折しもプライベートで転職を決断したのもこの頃だった。10月に転職し、有休消化期間に上高地へ泊まりに行き、心身をリフレッシュすることができた。新しいトレード人生のスタート地点に立ったような心地だった。


ただし、メンタル面の特に損失に関わる部分については大きな気づきを得られたが、それ以外にも課題はあったしトレード技術も飛躍したわけではなかった。何かが変わったが、それは相場への正しいと信じられる向き合い方の、ほんの一部であったように思う。


来年度はどのようにしていくべきかということを考えるに当たって、自分のトレード内容を振り返ると、大きく取れた時は200pips300pipsと伸ばせるのだが、それを手仕舞ったあとにスキャル的な短期売買をしてせっかくの利益を目減りさせてしまうということがよくあった。

これはもう少し伸びそうな部分の、いわゆる頭や尻尾の先まで狙ってやろうという慢心であったと思うし、あるいはここから転換するだろうという安易な思考に支配されたがゆえの失敗だった。

大きく取れたことによる過信・慢心・怠惰な分析・軽率なエントリが凝縮されていた。来年はここをなんとかして解消したい。大きく取れた後はしばらくチャートを見ないようにするとか、ポジりたくなったらその時の根拠を列挙してみるとか、とにかく客観的になるか、あるいは強制的に相場から出て行くことを徹底していこうと思う。特に相場から出て行くに当たって、どういう条件で出て行くのかを明確にしたい。

単に大きく取れたからというだけでは根拠として価値がないと思うからだ。


その他の部分では金銭面のことが挙げられる。まさに取らぬ狸の皮算用的な話なのだが、トレードの向上を考えるにあたってはある程度の計画が必要だった。

いついつまでに何をどうするか。そのために何をどうしたらいいかである。


最終的な目標はトレードで生計を立てられるレベルの収入を得ることだ。

自分の場合勝率が50%届かないくらい低いので、黒字の月もあれば赤字の月もある。なのでムダトレードを排して勝率向上を図りつつ月平均70万円から100万円の収入を得ることが1つの目安として捉えている。そして赤字月は-15万円以内に抑えたいと思う。これはもちろん最終的に赤字月をなくしたいという所に繋がってくる。

それを達成するにあたってロットも常時15万通貨から30万通貨程度を張れるようになりたいと考えている。現在は10万通貨がメインで時々15/20万通貨を用いるような状況だ。それでも9月は+66万円だったし12月もまだ確定していないが70万円前後となりそうなので、実現可能な目標と考えている。ちなみに10月が-23万円、11月が+40万円だった。

pips的には安定して400~700を取れるようになればと思う。

また口座の維持率を考えて、来年は口座資金を現在の残高から見て+150万円程度は増やしたい。最終的には現残高の3倍程度は確保することが目標になっている。ただこの点についてはビットコインの現金化によって+150万円は十分到達可能な金額となった。


少しずつ大きな夢の実現に近づけているような気がする。

夜明けの気配がしている。

向こうかすかに目をこらせば夜の終わりが地平線に重なっているように見えてきた。白む吐息のぬくもりに、これが見間違いではないと確信したい。

これが来年の目標。

DAWN FX

FXライントレードに関する研究を目的としたブログです。 水平線、トレンドライン、フィボナッチ、チャネル等々、チャートに線を引いてトレードします。 研究が目的なので、ブログという形式に則りつつテーマに沿って日々分析していこうと思いますがそれは理想。 実際は日々の考察やトレード履歴を載せていくことになると思います。 ハテナブログから移転。

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